EU・FDA 食品容器包装材規制コンプライアンス調査・新規登録申請支援
FCM 継続的コンプライアンスチェックサービス
Food Contact Materials Compliance according to EU, FDA regulation
サービス概要・特徴
食品容器包装材メーカーにとって欧米市場への進出は大きなチャンスと同時に複雑な規制への対応という課題も伴います。
食品接触材(FCM)に関する広範な分析経験と専門知識に基づき、対象製品の品質保証を強力にサポートします。
● 幅広い規制対応: 主要な市場の規制に精通。製品が各地域の要求事項を満たしていることの調査、実証。
● ポジティブリスト未収載成分への対応: 毒性学に基づくリスクアセスメントを実施し、市場での流通可否を検証します。
● Migration test、分析、規制当局との交渉代行等、開発から市場投入、上市後までのあらゆる段階を支援します。
● 当社発行の法令遵守・安全性証明書は国際的に受け入れられており製品の信頼性を高めます。
新規食品接触物質登録申請支援・FCM/FCN/FCS
各種新規食品接触物質(FCM, FCN, FCS)登録の申請代行、コンサルティングサービスをご提供いたします。
事前調査から欧州、欧州加盟国(オランダ・ドイツ)、米国当局への登録申請/届出/交渉までの一貫したサービスを含め、
必要となる溶出試験・分析・安全性調査等についても、各地域の申請に共有できるデータの取り方などをグローバルな視点から戦略的プランをご提案いたします。
□ 新規食品接触物質のポジティブリスト登録申請・当局との交渉代行
> 欧州食品安全機関 EFSAへの FCM申請、アクティブ・インテリジェント材登録
> 米国食品医薬品局 FDAへのFCN・FCS申請、PNC(Pre Notification Consultant)提出
> EU加盟国規制当局(オランダ, ドイツ当局)向け申請
食品容器包装材規制コンプライアンス調査・証明書発行・各種試験・分析
適合宣言(Declaration of Compliance; DOC)に必要となる戦略的プランをご提案いたします。
□ 製品に使用されている添加剤等の各含有成分の適合性、ポジティブリスト収載状況調査
□ 適合宣言に必要な各種試験の受託:溶出試験、材質試験、重金属分析、BPA、PFAS分析、NIAS等
□ 各規制適合性証明・安全性証明の発行
> EU Framework Regulation EC 1935/2004
> Plastic EC 10/2011, up to the draft 18th Amendment, March 2024
> Active and intelligent materials and articles EC 450/2009
> Plastic Recycling EC 282/2008, Comission Regulation (EU)2022/1616
> Gasket EC 372/2007
> Epoxy derivatives in materials and articles EC 1895/2005
> Bisphenol A in plastic infant feeding bottles 321/2011
> Ceramics EU 84/500 (Specific directive)
> Regenerated cellulose EU 2007/42 (Specific directive)
> Nitrosamines EU 93/11 (Specific directive)
> Vinyl Chroride EU 78/142 (Specific directive)
> Printing Inks (EuPIA guideline Nov-2011, Swiss Ordinace SR817.023.21,Apr-2013)
> Coating, Paper and Board, Metal, Rubber, Glass, Textile, Wood, Cork (Warenwet)
> Biocide Product Regulation EC No. 528/201
> Nanomaterials in FCM; Commision Recommendation 2011/696/EU
> FDA 21CFR 各規制
FCM 継続的コンプライアンスチェック (サブスクリプションサービス)
規制適合状況のモニタリング代行サービス
食品接触材の製造業者、または原材料サプライヤーである場合、全ての原材料、中間体、および関連する物質が最新の法規制に準拠していることを保証する責任が義務付けられています。
一方、FCMの含有物質に関する法規制は常に変化しており、その潜在的影響を把握することは、FCMメーカーにとって労力と時間を要する作業です。
更に、関連法令が頻繁に改正される昨今、最新の規制適合状況を容易に把握できなくなり、気づかぬうちに規制に準拠していない状況に至っている可能性があります。
当サービスは、各地域の規制状況を積極的にチェックすることで、製品ポートフォリオの規制監視の負担を軽減します。定期的に対象製品の物質ポートフォリオの規制状況をチェックし、製品のコンプライアンス状況に影響を与える改正について通知します。
製品ポートフォリオを効率的に監視することにより、規制変更に先んじて、対象製品が常に完全なコンプライアンスであることを支援するものです。
サービス概要
対象製品・食品接触材の組成に基づいて、四半期ごとに物質ポートフォリオの規制状況を監視します。規制変更がコンプライアンスに潜在的に影響を与える場合、調査結果を報告します。
これには法令改正に伴う警戒レベル情報が含まれます。例:低リスク;対応の必要無し。中リスク;適時対応が必要。または高リスク;即時対応が必要。
また、製品をコンプライアンス状態に保つために必要な手順についてもアドバイスします。当サービスをご利用いただく場合、対象製品について、下記いづれかの情報・エビデンスが開示可能であることが前提条件となります。
● Triskelion社発行のコンプライアンスステートメント
● 対象製品の完全な組成情報、およびそれらの用途情報
● 原材料サプライヤーからのコンプライアンスステートメント、または組成情報
● コンプライアンス状況を検証するための分析報告書
パッケージ内容(四半期ごとの更新)
● 製品・各含有物質ポートフォリオの精査
● 対象製品の情報収集(必要に応じサプライヤーからの情報収集)
● 改正対象となる製品・原材料の最新情報と併せ調査結果を報告
● 法令改正の評価、および法令改正後の警戒レベル評価
● 法令順守を維持・継続するための次のステップについて助言
● コンプライアンスステートメント更新版の発行(年1回)
NIAS(非意図的添加物質)分析・リスクアセスメント
欧州や米国の規制当局では非意図的添加物質(Non Intentionally Added Substance:NIAS)の安全性についての関心がますます高まってきています。
欧州プラスチック規則; EC No.10/2011, Article 3, Definition (9), Article 19.ではNIASは国際的に認められたリスクアセスメント原則に従って評価する必要があると規定しています。
この目的は、副産物(By-product)、不純物(Impurities)、その他、非意図的に添加された物質(other NIAS) といった物質の食品への移行を防止することにあります。
NIAS評価には分析スクリーニングだけでなく曝露量と危険性に基づいた適切なリスクアセスメントを含める必要があります。
分析手順はNIASスクリーニングからスタートし様々な物質を検出するためにいくつかの分析手法を使用します。
検出されたNIASの同定は、関連文献、社内専門家の化学知識、製品の開始剤等に関する入手可能な情報を基に実施されます。
同定されたNIASの暴露評価には必要に応じさまざまなモデリング手法(FACETなど)を使用します。
リスクアセスメントは、既存の規制・制限値、物質固有の毒物学的情報、またはTTC (Threshold of Toxicological Concern)を使用します。
NIAS評価はすべてお客様のニーズと基準を満たすようにカスタマイズされています。
フタル酸エステルと食品接触材料:問題点、規制遵守、分析サービス
食品接触材料中のフタル酸エステル
ジイソブチルフタル酸(DIBP)、ジ(2-エチルヘキシル)フタル酸(DEHP)、ジブチルフタル酸(DBP)、ブチルベンジルフタル酸(BBP)、ジイソノニルフタル酸(DINP)などのフタル酸エステルは、食品接触材料(FCM)のプラスチックの柔軟性を高めるために一般的に使用される可塑剤です。これらの物質は、包装、容器、食品と接触するその他の材料に含まれています。しかし、特に熱や酸性の条件下で食品に移行し、内分泌かく乱や生殖毒性などのリスクをもたらす可能性があります。
健康上の懸念:
内分泌かく乱作用と生殖毒性: フタル酸エステルは内分泌かく乱物質および生殖毒性物質として分類されており、特に子供においてホルモン系を妨害することが示されています。研究により、特に複数回の食器洗浄サイクル後に、再利用可能なプラスチックボトルからのDIBPの移行が明らかになり、繰り返し使用の危険性が強調されています[1]。
EFSAとECHAの調査結果: ヨーロッパ食品安全機関(EFSA)と欧州化学物質庁(ECHA)は、FCM中のフタル酸エステルに関連するリスクを強調しています。EFSAは、特に脆弱な集団に対して、より厳しい規制とフタル酸エステルへの食事暴露の継続的な監視が必要であると強調しています[2;4]。ECHAは、DEHP、DBP、BBP、DIBPなどいくつかのフタル酸エステルを生殖毒性のために「特に懸念される物質(SVHC)」として分類しています[3]。
Link to the News on Food Packaging Forum; Study find toxic phthalate migration from reusable plastic drinking bottles, Oct-2024
Triskelion社は、業界最高水準の残留フタル酸検出試験、OML・SML試験サービスを提供しています。GC-MSやLC-MSなどの最先端技術を用いて、材料中の微量なフタル酸エステルを正確に検出・定量することが可能です。当サービスにより、最新の規制に準拠し、食品への有害な移行を最小限に抑えることができます。
また、EU規則適合を実証するコンプライアンスステートメントや、適合を証明するためのコンサルティングサービスを提供しています。
関連規則; Regulation (EC) No 1935/2004, REACH Regulation (EC) No 1907/2006, Food Contact Materials Regulation (EC) No 10/2011
References:
1. Bayer, S.; McGill. Characterization of Chemical Mixtures Migrating from Plastic-Based Materials Used in Reusable Bottles; April 2024. (accessed Oct 19, 2024).
2. Bradley, E.; Brandsch, R.; Bustos, J.; Dainelli, D.; Faust, B.; Franz, R.; Hannaert, P.; Hoekstra, E.; Kappenstein, O.; Rijk, R.; Simoneau, C.; Vints, M. Training Workshop: Safety of Food Contact Materials: Technical Guidelines for Testing Migration under Regulation EU No 10/2011; 08 October 2014, Ispra; JRC (Organiser), 2014. JRC93653.(accessed Oct 19, 2024).
3. Commission Regulation (EU) No 10/2011 of 14 January 2011 on Plastic Materials and Articles Intended to Come into Contact with Food (Text with EEA Relevance); Consolidated Text, Aug 31, 2023. (accessed Oct 19, 2024).
4. Bratinova, S.; Simoneau, C.; Raffael, B. Guidelines for Performance Criteria and Validation Procedures of Analytical Methods Used in Controls of Food Contact Materials; Joint Research Centre, Institute for Health and Consumer Protection, Publications Office, 2009. (accessed Oct 19, 2024).
News 2024年2月 ビスフェノールA(BPA)の食品包装への使用制限
欧州連合(EU)は、ビスフェノールA(BPA)および関連する化学物質の食品接触材料への使用に関する規制を強化する準備をしています。
この取り組みにより、プラスチックやコーティングされた包装を含む食品接触材料 (FCM) における BPA の使用が禁止されます。
これは食品中にBPAが存在することに対する健康上の懸念からきています。
提案されている変更には、プラスチックの食品接触材料や他の材料、塗料やコーティング、印刷インク、接着剤の製造におけるBPAの使用を禁止するものが含まれます。
Bisphenol-A diglycidyl ether (BADGE)の使用については、限定的な例外が提案されています。
食品接触材料の製造業者には大きな影響が出る可能性があることを認識し、食糧供給の混乱を避けるために移行期間の検討が行われています。
Link to EU Food safety- Restrictions on bisphenol A (BPA) and other bisphenols in food contact materials:
□ Triskelionで分析可能なBPA
> 2,2-bis-4-hydroxyphenl-4-me … (6807-17-6)
> Bisphenol A (77-40-7)
> Bisphenol AF (1478-61-1)
> Bisphenol AP (1571-75-1)
> Bisphenol B (77-40-7)
> Bisphenol C (79-97-0)
> Bisphenol C2 (14868-03-2)
> Bisphenol E (2081-08-5)
> Bisphenol F (620-92-8)
> Bisphenol M (13595-25-0)
> Bisphenol P (2167-51-3)
> Bisphenol S (80-09-1)
> Bispheonol Z (843-55-0)
> Tetramethyl Bisphenol F (5384-21-4)
食品接触を目的とした再生プラスチック規制 (EU) 2022/1616 of 15 September 2022
食品接触材料 (FCM) として使用される再生プラスチックは高い安全レベルでリサイクルする必要があります。 EFSA (欧州食品安全機関)はリサイクルプロセスが適切な技術に基づいているか
新規技術として開発されているかに応じてリサイクルプロセスに対する異なる要件を定義しました。[1]
FDA に対しては、リサイクルされた材料が食品と接触して使用しても安全であることを示すための統一的なアプローチが推奨されています。[2]
両規制当局は、チャレンジテストが安全性評価の重要な要素であると考えています。
対象:再生プラスチックを使用した食品容器包装用の下記技術・製品
□ PETのリサイクル:PETチャレンジテスト(EFSA、FDA)
EFSA はメカニカルリサイクルが食品と接触することを目的とした再生 PET に適した技術であると考えています。 各プロセスは個別に認可される必要があり明確に定義された安全性評価基準に従ってチャレンジ テストを実施する必要があります [3]。
FDA の場合、事前通知協議(PNC)を要求し異議なしの通知 (LNO) を取得することができます。 チャレンジ テストはこのような PNC リクエストの重要な要素の 1 つです。
□ 非 PETのリサイクル: 新規技術 (EFSA)
EFSA は適切な技術(Suitable technology)としてリストされていない全ての技術を新規技術とみなします。 リサイクルされた食品接触材が市場に投入される前に新規技術について当局へ通知する必要があり、かつ定期的なモニタリングを実施する必要があります。
References:
[1] Commission Regulation (EU) 2022/1616 of 15 September 2022 on recycled plastic materials and articles intended to come into contact with foods, and repealing Regulation (EC) No 282/2008
[2] Center for Food Safety and Applied Nutrition, Office of Food Additive Safety: Guidance for Industry: Use of Recycled Plastics in Food Packaging (Chemistry Considerations), July 2021.
[3] EFSA Panel on food contact materials, enzymes, flavourings and processing aids (CEF); Scientific Opinion on the criteria to be used for safety evaluation of a mechanical recycling process to produce recycled PET intended to be used for manufacture of materials and articles in contact with food. EFSA Journal 2011;9(7):2184.
新規技術に対する支援サービス
・テスト戦略の設計:
新規技術を通知する場合、開発者は製造された材料が食品接触材として使用しても安全であることを示す必要があります。 登録申請における豊富な経験、化学技術、機械工学、分析化学、食品科学からなる学際的チームが実施すべきテスト戦略について助言・サポートします。
・モニタリング:
投入材料の全ての関連汚染と最終材料、および製品の残留汚染レベルを対象とする様々な分析スクリーニング方法論の提供。 サンプル前処理方法検討。 モデリングソフトウェアを使用した食品への汚染物質溶出量測定、および溶出実験の実施。
・チャレンジテスト:
開発中の新規技術のチャレンジ テスト (代用物、汚染手順、分析方法の選択) の設計・実施。
2023年10月 プレスリリース; マクドナルド、コカコーラ等の多国籍企業、TNO との共同プロジェクト
マクドナルドとTNOはプラスチック製の食品包装をより持続可能なものにするために、Triskelion社、およびコカコーラ等複数の多国籍企業とコンソーシアムプロジェクトを開始します。
参画企業はキッチンからプラスチック製の食品包装材とマクドナルドから廃棄された再利用可能なカップを回収し少なくとも35%がリサイクル素材で構成される新しい食品包装材にリサイクルします。
TNOが主導する当プロジェクトでは、包装廃棄物とカップがマクドナルドのレストランから収集、輸送後リサイクルされ、その後レストランで再利用されます。これはLDPE(低密度ポリエチレン)製包装とPP (ポリプロピレン)包装に関するものです。
食品の安全性と品質を追求し環境と経済の持続可能性を組み合わせます。
当プロジェクトでは、欧州食品安全機関 (EFSA) からの認証を受ける資格を得るために食品の安全性と製品品質の厳しい要件を満たすリサイクル材料から作られた新しいパッケージを開発します。
また、食品包装にリサイクル材を使用するための標準手順の開発も行い、食品の安全性と持続可能性に加えリサイクルの経済性も考慮します。
Link to this press release of TNO Brightlands Materials Center.
パンフレット | Brochure download
□ Food Contact Materials (Brochure EN)
□ Analysis of NIAS (Brochure EN)
□ Recycled plastic materials and articles (Brochure EN)